irテンプレート用 |

株主・投資家の皆様へ

トップインタビュー

コロナ禍のピンチをチャンスに変え、創意工夫のチャレンジから大きな成果を 代表取締役社長 長丸 昌功

株主の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り、心から厚くお礼申し上げます。
第51期の報告をいたしますので、ご高覧を賜りますようお願い申し上げます。
- 第51期を振り返ると、やはり新型コロナウイルス感染症の影響と対策に尽きるでしょうか。

感染症拡大防止に向けた外出自粛要請や、緊急事態宣言による休業や営業時間の短縮要請などにより、連結売上高は前期比で約30%減、経常損失が約5億円と、過去最大の赤字となりましたが、下期(9月~3月)は、8番らーめん店の売上高は前年比約90%で推移しました。ご来店のお客様の安全・安心への対策の充実はもちろん、ウイズコロナ時代の顧客ニーズを的確に捉えて、業績の着実な回復と上積みを、今後も図っていきたいと思っています。
大手外食産業では、業績の急激な悪化により社員の解雇や、賃金カットなどが見られますが、ハチバンは雇用調整助成金等も活用し、社員の雇用確保に全力をあげてきました。大きなダメージを受けた外食産業にあって、ハチバンはお客様に提供するおいしい食事、商品、サービスを通じて、今こそ「食はハチバン」を発信するチャンスであり、お客様に満足していただく様々な取り組みにチャレンジする人財こそが一番重要と考えています。

- コロナ禍で見えた外食産業の新しい方向性や、それに対応した取り組みを聞かせてください。

当社でも、8番らーめん店、和食店を問わずテイクアウト商品が大幅に増加し、また、巣ごもり需要で中食向けの外販商品の売上が大きく伸びています。特に、8番らーめんでは、ドライブスルー設置店舗の業績が好調で、これを受けてドライブスルーの併設店舗数を前期末の9店舗から24店舗(2021年4月20日現在)に増やしています。
ご家庭でも、お店と同じおいしさを味わっていただけるよう、らーめんのテイクアウト用容器も、麺とスープをセパレート化する改良を行いました。現在、さらに細麺用の容器や餃子、炒飯の容器についても改良の試作をしており、完成次第、投入します。テイクアウトの予約電話が特定の時間帯に集中し、お客様にご不便をかけることを避けるため、ネット予約サイトに参加し、全店舗で利用できるようにしました。
昨年発売のギフト「ハチバンおうちごはん」が好評だった外販商品は今期、冷凍商品や無添加・国内具材にこだわった新商品、コラボレーション商品などの開発に力を入れます。

- 今後の店舗展開や業態開発はいかがですか。

らーめん店舗では、新型コロナウイルス感染拡大防止対策を設計段階から取り入れたモデル店舗として昨年9月、8番らーめん横江店(石川県・白山市)をオープンし、今後のニューノーマルを見据えて展開してまいります。
コロナ禍にかかわらず、人口減少に伴う人手不足対策として、従来のセルフオーダーシステムに加えて、セルフレジや自動配膳システムの導入も視野に入れています。セルフレジは来期、直営店での実証実験を経て、その後順次、加盟店でも運用してまいります。
和食事業の居酒屋は、宴会利用の大人数のご利用から家族や友人らによる少人数への移行が顕著です。アルコールを伴わない飲食が増えており、変化するお客様ニーズに合わせた店舗の設計や適正な規模、立地場所の検討、満足度の高いメニューの開発を進めなければなりません。郊外型の八兆屋店舗で和カフェの実験をスタートさせているのも、その一環です。また、今期はキッチンカーによる新業態にもチャレンジし、地元食材を使った新しいスイーツの販売を通して、地域の豊かな食文化を発信してまいります。

- 第52期のスローガン「明るく 元気に 創造開拓。自ら行動」に込めるトップの思いは何でしょうか。

連日、コロナ関連のニュース一色で、どうしても気持ちが沈みがちです。前を向いて前進することが、今ほど大切な時はありません。もはや既成概念の延長線上で事業を展開しても通用しない時代であり、「創造開拓」に向けて全社員が挑戦してほしいと強く願って決めました。その合言葉として「ひとり・1チャレンジ」を掲げ、各人が目標を持って主体的に行動する取り組みを、会社としてバックアップしていきます。
全社的には、新たに設置した「ブランド戦略室」を核にしてハチバンの未来を短期、中・長期で展望し、必要な施策を迅速に実行してまいります。この春スタートさせた「地縁プロジェクト」もそのひとつで、北陸の食に関わる生産者や加工業者、そして地域住民との関わりを大切にし、当社の事業を通して地域に活力を吹きこむお手伝いができればと思っています。

- マーケティングの強化、SCM(サプライチェーンマネジメント)改革も推進されるそうですね。

はい。新設のブランド戦略室にはマーケティングを専門にするコンサルタントにも参加してもらい、時代のトレンドやニーズを強く意識した戦略を多面的に描いていきます。SCMは既に様々な情報の共有に取り組む一元化プロジェクトとも密接に関係し、特に物流面での在庫管理の適正化と原材料仕入れ先の見直し作業を進め、3M(ムリ・ムダ・ムラ)を省いてコスト削減につなげます。
一元化プロジェクトによる取り組みとしては、2023年9月を目途に次世代店舗システムの導入を終えるとともに、社内的にはグループウエアをさらに活用して業務改善を進め、情報共有化やペーパーレス化など、生産性の一層の向上を図ってまいります。

- 海外展開のほうはいかがですか。

新型コロナウイルス感染症の影響は、海外展開するタイ、香港、ベトナムにおいても同様です。
タイは、コロナの影響によるブレはあるものの、8番らーめんは現地に根付いた外食となっており、早い回復を見せています。今期は店舗数を10増やして155とし、目標の200~250店舗を目指します。来期中の稼働に向けて現在、第2セントラルキッチンの計画を進めているのも、その目標達成に不可欠な商品の安定供給と質向上を図るためです。
香港はコロナ禍だけでなく、民主化問題などの影響で、政情不安が依然続いていますが、新たな店舗展開を計画しています。現在のフードコート内にある店舗は密を嫌うお客様が増え集客力が落ちており、今後、テナント型の独立店舗にシフトしていく考えです。
2019年度、1号店を出店したベトナムについては、今期、2号店の出店を着実に実行して、8番らーめんファンの開拓とすそ野を広げる取り組みを進めてまいります。