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株主・投資家の皆様へ

トップインタビュー

今期は、人財への投資と既存事業の強化と拡大。能登半島地震を乗り越え人やまちを笑顔に、元気にしていきたい。 代表取締役社長 長丸 昌功

株主の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り、心から厚くお礼申し上げます。令和6年能登半島地震により、被災された皆様には心よりお見舞いを申し上げます。
第54期の報告をいたしますので、ご高覧賜りますようお願い申し上げます。
- 地震による店舗などへの被害や業績への影響はいかがでしたか。

地震発災直後から、社員ならびに加盟店オーナーやそのご家族と従業員の皆様の安否の把握に奔走しました。店舗の被災状況としては、石川県で14店舗、富山県で1店舗が営業停止を余儀なくされましたが、5月20日現在、石川県内の珠洲・宇ノ気・内灘の3店舗を除いて再開しております。各店舗の営業再開の初日には、野菜らーめん1杯100円のチャリティを実施し、地元の方々や復興支援に携わる方々に多くご来店いただきました。「お店が再開してくれて、本当にうれしい」とのお言葉も数多くいただき、私たちの方が勇気づけられました。また、多くの従業員が、被災地の方々を笑顔に、元気にしたいという思いでラーメンを提供する姿に誇らしさも感じました。まだ営業再開できない3店舗には、フランチャイズチェーン本部として一日も早い再開に向けて、引き続き尽力してまいります。
各方面から多くのご心配をいただきましたが、おかげさまで、震災による業績への影響は軽微でした。和食店舗では、当初は予約のキャンセルも相次ぎましたが、3月の北陸新幹線金沢―敦賀間の延伸開業を機に多くの観光客を中心に、来店客数が伸長しています。

- 第54期を振り返っていかがですか。

新型コロナウイルス感染症が昨年5月、5類に移行し、社会活動や経済が順調に回復してきていると感じますが、来店客数はまだコロナ禍前の水準まで戻っておりません。消費者のライフスタイルの変化に対応し、新しい商品の開発・販売や既存事業のさらなる効率化を進めた結果、売上高は前期に比べて約6%増の6,841百万円、経常利益は約63%増の365百万円となりました。

8番らーめん七尾西店に導入した自動配膳レーン

同時に、少子高齢化の進むわが国が直面する人手不足にどう立ち向かうかが、事業を伸ばす上でますます大きな課題になったと痛感する1年でした。
その対策として、8番らーめん店舗では配膳ロボットや自動配膳レーンを順次導入し、また商品の注文から支払いまでの全てをお客様に行っていただくセルフ化も試験的に運用しています。新型コロナでフロアサービスの在り方、お客様の考え方が一気に変わったと感じております。今後は調理場の省人化・省力化を図るための店舗設計や設備機器の開発を進めます。

- 第55期で特に力を入れたいことは何ですか。

第55期の方針の柱として、①「人」への投資、②既存事業の強化と拡大を掲げています。
「人」への投資では、待遇改善はもとより、より働きやすい職場づくり、やりがいを大切にする企業風土をさらに高めてまいります。具体的には、従業員の成長を積極的に後押しするだけでなく、実績やスキルに富んだ即戦力人財のリクルーティングにも力を入れていく考えです。特に、企画開発部門において、経験者の即戦力採用で新しい視点やアイデアをどんどん取り込み、熱い議論からシナジー効果が生まれることに期待しています。こうしたことが、ハチバンの活力と新たな魅力づくり、令和時代のフランチャイズ展開に必ず役立つはずです。
既存事業の強化と拡大では、まず、ホームグラウンドである北陸での事業基盤の強化が重要であることは論をまちません。

ハチバンと金沢工業大学の学生が連携する
プロジェクトを継続中

8番らーめんでは、これからも北陸のソウルフードであり続けるために、ご家族連れのお客様にお子様専用メニューを提供し、小さな頃から8番に親しみを持ち、息の長いファンとなっていただくための取り組みを続けます。また昨年、金沢工業大学の学生と産学連携で開発した新メニューは、若者が嗜好する味で、若い世代へ8番ブランドを浸透させるためのヒントを得る取り組みの一環であり、このような活動も進めていきます。
和食部門では、新業態として2022年秋にオープンした「そばと四季揚げ 八兆庵」で、そばの店内製麺をスタートし、そばの風味が増すだけでなく、桜そばや青じそそばなど季節に応じた二色そばの提供など、他社店との差異化を図っていきます。もうひとつの「炭火串焼・鶏料理 八千屋」では、銘柄鳥「恵那どり」を使った「かご焼き」などのメニューを加え、新規顧客とリピーターの獲得につなげていきます。
「八兆庵」「八千屋」とも、8番らーめんに続く第二のフランチャイズチェーンにしていきたいと考えています。現在、1号店のある郊外とは異なる立地条件で、将来の多店舗化の可能性を探る実証店を出店する計画を進めています。

- 海外における事業展開の状況はいかがですか。

ベトナム3号店
「イオンモールタンフーセラドン店」

タイは好調で、計画通り7店舗の新規出店を行うことができ、159店舗となりました。250店舗構想に向け建築した第2セントラルキッチンは、今夏、全ラインが本稼働の予定です。また、2024年度は、日本からタイに商品開発チームを派遣し、魅力ある新メニューと付加価値の高い商品作りを推進していきます。
ベトナムでは、ホーチミン市郊外で、ビルの1~3階フロアーを使った店舗とショッピングモール内への出店で3店舗となりました。30店舗の目標に向けて、出店候補地の選定と出店を加速させ、着実に前進を続けていきます。
タイ・ベトナムから見えてくる東南アジア各国のマーケットは魅力的であり、新たな国への進出の可能性を探りたいと考えています。

- 最後に株主様へのメッセージをお願いします。

能登半島地震の復興はまだまだこれからです。幸い、当社と加盟店関係者に人的被害はなく、営業を停止した店舗の大半は、比較的早期の再開にこぎつけることができ、感謝しかありません。今後も、加盟店オーナーと協働で、被災地で復旧・復興支援に携わっている方々や、来店していただいているお客様にできたてのラーメンをお届けし、「この地に8番があって良かった。」と思っていただけるよう支援を継続してまいります。
私たちの目指す姿である、「『食』と『おもてなしの心』で人やまちを笑顔に、元気に。」の理念のもと、ハチバングループはこれからも地域とともに歩み、そこに暮らす人々を笑顔にするお手伝いをしてまいります。
株主の皆様には、引き続き一層のご理解とご支援を心よりお願い申し上げます。