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株主・投資家の皆様へ

トップインタビュー

“第二の創業”へ向けた準備は整った。北陸エリアから打って出る年に。 代表取締役社長 長丸 昌功

株主の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り、心から厚くお礼申し上げます。
第55期の報告をいたしますので、ご高覧賜りますようお願い申し上げます。
- 能登半島地震で被災した8番らーめんのすべての店舗で営業を再開したとの明るいニュースがありました。

営業再開に喜びをかみしめる内灘店 山岸オーナー

地震による深刻な液状化被害に遭った宇ノ気店が昨年12月27日に、内灘店が今年3月26日にそれぞれ営業を再開し、被災した15店舗すべてで無事に営業が行えるようになったことに、まずは安堵しております。この日を迎えるまでのオーナーの熱意と努力はもとより、地元のお客様の温かい応援があって初めて可能だったと心より感謝申し上げます。当社も、社内外から寄せられた募金やチャリティー活動で集めた義援金を、各自治体に寄附させていただきました。

- 来期(第56期)を“第二の創業元年”と位置付けていますが、どんな戦略を描いていますか。その準備はいかがですか。

今年2月に国が発表した人口動態によると、日本の人口は1年で約90万人減少しており、今後も人口減少と高齢化の進行は避けられない状況です。このような環境下において、当社が従来の事業展開を維持するだけでは、業績低下は免れないと考えています。そのため、付加価値の高い商品づくりに加え、事業エリアの拡大、新しい業態や店舗の開発、出店を積極的に進めていく必要があります。
第56期はこれらの取り組みを具体化する年として、“第二の創業元年”と位置付け、全国300店舗への挑戦を再スタートさせます。その第一歩として、北陸エリア外での新規出店を計画しています。
地域ごとに固有の食文化や味の嗜好があり、同じ8番らーめんでも出店エリアによって異なる個性を持つことは自然なことと考えています。重要なのは「ハチバンの精神」と「基本」を共有することであり、それをベースに「郷に入りては郷に従え」の方針で事業を展開してまいります。

- らーめん部門だけでなく、八兆屋、長八、八兆庵、八千屋の和食部門も可能性を探りエリアを広げる考えですか。

4/6 新業態「八兆庵」2号店目をオープン!

出店の可否については、これまでのデータや経験に頼るだけでなく、各立地の特性に応じて規模やメニュー、価格設定などを柔軟に検討し、実行していく方針です。その一環としてモデル店舗を設け、新たな業態としての成功例を築き上げることで、和食部門でもフランチャイズ展開を実現できる可能性があると期待しています。
もちろん、新たな挑戦には失敗のリスクも伴います。しかし、社員には失敗で立ち止まるのではなく、振り返り、対策を講じた上で、次の一手、さらなる一手を準備し、最後までやり抜くよう求めています。挑戦し続ける姿勢を大切に、浸透させてまいります。

- 第56期に向けた熱い思いが伝わってきます。“第二の創業”を推進する人財の確保と育成が、より重要性を増していると言えますね。

「人づくりの再耕と深耕」に注力し、積極的に取り組んでいます。具体的には、研修制度の充実や待遇の改善を図るとともに、実績やスキルに優れた人財の中途採用を積極的に推進しています。これにより、社員同士の切磋琢磨から生まれるシナジー効果が、各々の成長と、自社の発展につながることを期待しています。
さらに、役員を含む部長職以上を対象に、事業運営力の強化を目的とした研修を実施しています。重要なのは、社員一人ひとりがワクワクしながら「やってみたい」と自ら考え、それを実現できる職場環境を整えることです。このため、トップダウン型の運営からボトムアップ型への移行を目指し、この一年を勝負の年として取り組んでまいります。

- 海外事業では、新規にカンボジアへの進出を4月に記者発表されていますね。

4/18 カンボジア王国とのエリアフランチャイズ契約を締結

人口約1,700万人を抱えるカンボジアは、その約7割が30歳未満という若い国であり、活気に溢れています。近年の著しい経済成長により、首都プノンペンでは高層ビルの建設が相次ぎ、マーケットとしての魅力がますます広がっています。
フランチャイズ契約を結んだ通信会社の社長が、タイで8番らーめんを食べ、その味に惚れ込んだことがきっかけで、2017年に熱烈なオファーをいただきました。その後、コロナ禍を経ても事業への情熱は変わらず、今年ようやく契約調印に至りました。
当社としても、隣国タイにあるセントラルキッチンからの食材搬送が可能であることを強みとし、カンボジア進出を決断しました。日本から社員を派遣し、店舗運営や商品開発のノウハウを全面的にサポートすることで、年内にはプノンペンに1号店を開設する予定です。

- タイやベトナムの状況はいかがですか。

順調に店舗数を拡大するタイの8番らーめん

タイでは、前期比10店舗増の169店舗を数え、スープ・エキス等の液体調味料事業も好調で売上増加に寄与しています。しかし、外食産業の多様化や所得層の変化に対応するため、店舗の質向上や新メニュー開発、接客サービスの強化が急務であり、ブランド価値を再構築していく方針です。
一方、ベトナムでは進出から5年が経過しましたが、店舗数が増減を繰り返しています。店づくりに、ベトナムの市場の特性が十分に反映されていないことが要因の一つであり、この課題解決のため、価格やオペレーションなどを見直し、モデル店舗に優秀なスタッフを集中させるなど具体的な改善策を進めています。

- 株主様へのメッセージをお願いします。

第55期は“第二の創業”に向けた準備を着々と整え、布石を打つことができました。そして、第56期は国内外でいろいろな挑戦を始めることに私自身もワクワクしています。多方面で新業態の種をまき、それが新たな事業の柱へと発展するよう、全社一丸となり、「『食』と『おもてなしの心』で人やまちを笑顔に、元気に。」をスローガンに全力で取り組んでまいります。株主の皆様には、引き続き、一層のご理解とご支援を心よりお願い申し上げます。